映画・ドラマ、アニメ、ゲームなど、日常的にCGが使われるようになった昨今。「自分もCGの勉強を始めてみたい!」という方も増えてきたのではないでしょうか。
この記事では、以下の方を対象に「どのCGソフトから勉強を始めるべきか」について書いてみようと思います。
- 趣味でCGを始めたい方
- プロのCGデザイナーを目指したい方
- 映画・ドラマ、アニメ、ゲームを作りたい方
結論
まずいきなりですが、結論から述べたいと思います。
これからCGの勉強を始めたいと思っている方におすすめのCGソフトはこちらです!
趣味でCGを始めたい方 | Blender |
---|---|
学生 | MayaかMax |
プロを目指す社会人 | Blender |
はい。こちらが私が思う「CGの勉強を始めようと思っている方におすすめのCGソフト」になります。
「Blender」「Maya」「Max(3ds Max)」は、CGソフトについて調べたことがあれば一度は目にしたことがあるソフト名ではないでしょうか。
なぜ私がこれらのソフトをおすすめするのか。
理由について説明していきます。
なぜ学生には「Maya」か「Max」がおすすめなのか
「学生向け」で紹介している「Maya」と「Max」は、日本だけでなく世界中で使用されている超有名なCGソフトです。
「Blender」もMayaやMaxと同じくらい歴史のあるソフトではありますが、使いやすくなり人気が出てきたのはここ数年のこと。
そして「Maya」と「Max」は有料で「Blender」は無料という大きな違いがあります。
プロが使うソフトなのでお高いです。1年で30万ぐらいします。
そのため、初心者が「Maya」と「Max」の勉強を始めようとするとたくさんのお金が必要になってくるのですが、プロを目指す学生になぜそんなお高いソフトがおすすめなのかには理由があります。
それは・・・「学生・教員であればMayaもMaxも無料で使用可能」だからです!!!
ハリウッド映画やAAAゲームなどで使われているソフトが、学生の間であれば無料で使えてしまうのです。
MayaとMaxを開発しているのはAutodesk(オートデスク)という会社ですが、太っ腹なんです。
この機会を使わないのはもったいないですよね!
Maya・Maxで制作されたものたち
AutodeskのYouTubeチャンネルにMayaやMaxを使用して制作されたものが紹介されています。
※作品によってはその他のAutodesk製品も使用されていると思われます
サムネイルはあのマーベル作品ですね。
ゲームにも勿論Mayaが使われています。
「ファイナルファンタジーXVI」の記事
「Valorant」の記事
「エルデンリング」や「ダークソウル」などでお馴染みのフロムはMaxで制作していますね。
ディズニー、ピクサー、ドリームワークスなどの3DCGアニメ作品にもMayaが使用されており、これらのスタジオで働いていた方が書いた本も発売されています。
このように、CG作品には高確率でMayaやMaxが使用されています。
Maxはアニメ系に強い?
Maxについて調べているとよく目にするのが「Maxはアニメ作品でよく使われている」という話。
さて実際はどうなのでしょうか。
CGの情報といえばここ!の「CGWorld」のタグで「3ds Max」のページを表示してみましょう。(↓このリンクから見れます)
たしかに、アニメ系が多いですね。
というのも、Maxには15年前ぐらいから「Pencil+」というアニメ調の映像を作るための外部ツールがあり、それを使って3DCGアニメを作る会社が多かったため、現在もMaxをメインで使っているアニメ会社が多いのだと思います。
チェンソーマンにも使われています
最近はMayaやBlenderでも「Pencil+」が使えるようになったり、独自でアニメ調にする機能を開発している会社もあるので、Maxでしかアニメを作れないというわけではありません。
またアニメやイラスト制作の場合、3Dでレイアウトを決めて、そこから手描きを行うという手法もありますが、これはアニメ調にならなくても良いので、どの3DCGソフトでも行うことが可能です。
3Dレイアウトについての記事
もしアニメ制作に興味があり就職したい会社が決まっているのであれば、どのソフトを使っているのかを調べてみましょう。
MayaかMaxどちらを勉強すれば良いの?
「MayaかMax結局どっちを勉強すれば良いの?」と悩む方もいるかもしれませんが、個人的にはどっちでも良いかなーと思います。
私が今までに関わった映像系(映画・ドラマ・CM・遊技機)、アニメ、ゲームでの使用比率的にはこういう感じでした。※遊技機はパチンコ・パチスロ
種類 | 比率(Maya:Max) |
---|---|
映像系 | 1:1 |
アニメ | 1:2 |
ゲーム | 2:1 |
この表を見ての通り、どちらを使って仕事をするかは会社によって決まるので、どちらが有利とは言えません。
もしも就職したい会社が決まっているのであれば、その会社がどのソフトをメインに使っているかを調べてそれに合わせるで良いと思います。
会社によっては金銭的にどちらか1つしか使えなかったりするかもしれませんが、どちらでも得意な方を使って良いという会社も結構あります。
また、小さい会社に入社すると、人数も少ないし、取引先によって何のソフトがメインかが変わってくるため、何でも使えるようにならざるを得ないこともあります。
私は下請け会社時代にほぼ全てのCGソフトを習得しましたw
学生以外の方には「Blender」がおすすめ
学生以外の方や趣味でCGをやってみたいという方におすすめなのは、無料で始められる「Blender」になります。
最初から大金を出してMayaやMaxを勉強しても良いですが、CGには向き不向きがあるのでまずは無料のBlenderで試してみるのがおすすめです。(一応Maya・Maxには30日間の無料体験版もあります)
無料だからといって侮ってはいけません。
CG制作に必要な基本機能は揃っており、MayaやMaxなど世の中にあるCGソフトの便利な部分を取り込んだようなソフトなので、「Blenderの方が便利」という部分がたくさんあります。
そのため、ここ数年でBlenderを使っている会社も増えてきています。(私もよくBlenderを使います)
「BlenderではなくMayaかMaxを勉強すべきだった」という場面は、就職先の会社がMayaやMaxを使っている場合はその会社のツールを学びなおさないといけないので発生しますが、趣味の範囲内ではBlenderを極めていくことに問題はありません。
しかもBlenderで基本的なCG制作の知識を習得しておけば、MayaやMaxで同じことをどう行うのかだけ覚えていけば良いので、短時間で習得することができます。(逆も然りでMaya・MaxからBlenderの習得も可能)
またBlenderは無料なので、YouTube動画や書籍がたくさんあり、独学でも勉強しやすいCGソフトになっています。
Blenderで制作されたものたち
BlenderはリアルCGからアニメやイラストっぽいものまで、何でも作れてしまうので、はまると楽しくて病みつきになってしまいます。
ここで素晴らしい作品を制作しておられる方々をいくつかご紹介。
こちらのGAKUさんは、水彩画のような作品をたくさんYouTubeに投稿しています。
「これBlenderなの?」と初めて見たときは衝撃でした。
sachiko15さんはきれいなイラスト制作にBlenderを使用されています。
こっちはリアル系の食べ物CGを作られている海外の方の動画です。
チャンネルへ行くといくつか食べ物のCG制作メイキング動画が投稿されています。(Blender以外のソフトも使われています)
またBlenderを使用している会社としては「スタジオカラー」が有名です。
呪術廻戦で3DレイアウトなどにBlenderが使われているそう。
この動画では、アニメ制作で3Dレイアウトを行っているところが見れます。
Blenderの学習方法
まずは無料で。ということでYouTubeの動画で基礎を勉強するのが良いと思います。
3DCGで一番最初にやることといえば「形状を作る」ことです。
好きなキャラクターなどを作りたくなりますが、慣れるまでは難しいので、最初は「コップ」や「テーブル」など形がシンプルなものから始めると良いです。
こちらの動画ではBlender3.6のインストールから基本操作、画像作成までを日本語で説明してくれています。
こちらはBlender4.0なので割と新しいです。
どうしてもキャラクターを作ってみたい方はこの動画を参考にしましょう。(Blender3.3)
動画で「Blenderってこういうものなのか~」というのがなんとなくわかったら、書籍を買って順番に理解を深めていくのもおすすめです。
その他のCGソフト
CGソフトについて調べていると他にもいくつか有名なソフトが出てくると思いますので、ちょっとだけ書いておきます。
Houdini
Houdiniは爆発や海などの「エフェクト」という作業でよく使われるCGソフトです。
最近だと「ゴジラ-1.0」の海にも使われています。
Cinema 4D
Cinema 4Dはアニメーションやエフェクトに強く、フリーランスや小さめの会社でよく使われている印象のあるソフトです。
以前視聴したセミナー動画でも「アニメーションが簡単で、修正にも柔軟に対応できる」といったお話がありました。
ZBrush
ZBrushは「モデリング」という作業の中の「スカルプト」に特化したソフトです。
他のCGソフトで形状を作る場合、細かい部分を作ろうと思うと大変なのが、ZBrushだと粘土をこねるような感覚で詳細なディティールを追加することが可能になります。
これもゴジラの表面のデコボコしている部分で使っているはずです。
これは海外版のGODZILLAのメイキング
まとめ
ということで、以上がこれからCGを学びたいという初心者の方におすすめのCGソフト紹介でした。
まずは気になったソフトをさわってみて、自分に合っているかどうかを試してみるところからスタートしましょう。
プロを目指す方は以下の記事も参考にしてみてください。
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