blenderのテクスチャペイントは、作成したモデルに直接ペイントできる便利な機能です。
以前はサブスタンスペインターなどを使ってテクスチャを作成していましたが、最近は簡単なものならblenderだけでやってしまいます。
しかし、この便利なテクスチャペイントにも足りないものがあります。それはレイヤーを分けてペイントを行う機能です。
レイヤー分けを実現できるアドオンもありますが、今回はblenderの標準機能だけでレイヤー分けする方法がわかったので記事にしたいと思います。
テクスチャペイントでレイヤー分けする手順
UV展開済みのモデルを用意
まず、モデルはUV展開した状態にしておきます。
今回はUV展開されているスザンヌさんを「Shift + A」から召喚。
![](https://oknote.net/wp-content/uploads/2024/02/01_add_monkey-1-800x475.png)
UV EditingワークスペースでUV展開済みなことを確認。
![](https://oknote.net/wp-content/uploads/2024/02/02_check_uv-800x475.png)
マテリアルと1つ目のレイヤーを作成
Shadingワークスペースに変えて「New」からマテリアルを追加します。
![](https://oknote.net/wp-content/uploads/2024/02/03_new_material-800x475.png)
「Shift + A」やメニューの「Add」から「Texture > Image Texture」を追加。
![](https://oknote.net/wp-content/uploads/2024/02/04_add_imagetexture-800x711.png)
「New」をクリックして新規イメージを作成します。
![](https://oknote.net/wp-content/uploads/2024/02/05_create_newimage-800x521.png)
これが1つ目のレイヤーになるので「layer1」など分かりやすい名前にしておきましょう。解像度などは好きなサイズで。
![](https://oknote.net/wp-content/uploads/2024/02/06_set_newimage-500x414.png)
Image TextureをBase Colorに繋げばペイントできる状態になります。
![](https://oknote.net/wp-content/uploads/2024/02/07_connect_layer1-800x475.png)
Texture Paintワークスペースに移動し、好きな色で塗るなどレイヤー1を調整します。
![](https://oknote.net/wp-content/uploads/2024/02/08_paint_layer1-800x475.png)
レイヤーを追加する
ではさらにレイヤーを追加していきます。
またShadingワークスペースに移動し、Image Textureを追加しましょう。これが2つ目のレイヤーになります。
![](https://oknote.net/wp-content/uploads/2024/02/09_create_layer2-800x475.png)
「New」をクリックして名前を「layer2」などに変更します。
![](https://oknote.net/wp-content/uploads/2024/02/10_set_layer2-500x407.png)
次にColorをクリックしてAlphaを0にします。透明にしておいてlayer1の上にペイントするためです。
![](https://oknote.net/wp-content/uploads/2024/02/11_set_layer2_alpha-800x646.png)
OKをクリックしてlayer2の設定を終了します。
次に「Shift + A」かメニューの「Add」から「Converter > Mix」を追加します。
![](https://oknote.net/wp-content/uploads/2024/02/12_add_mix-800x545.png)
Mixのモードを「Float」から「Color」に変更します。
![](https://oknote.net/wp-content/uploads/2024/02/13_float_to_color-300x279.png)
layer1とlayer2を以下のようにMixと接続します。
- layer1のColorをMixのA
- layer2のColorをMixのB
- layer2のAlphaをMixのFactor
![](https://oknote.net/wp-content/uploads/2024/02/14_connect_mix-500x519.png)
そしてMixのResultをBase Colorへ。
![](https://oknote.net/wp-content/uploads/2024/02/15_mix_basecolor-800x519.png)
これでレイヤー2が追加できました。Texture Paintワークスペースに戻ります。
レイヤーを切り替えてペイント
Texture Paintワークスペースで、右側にあるパネルをToolタブに変更し、Texture SlotsのModeが「Material」になっているとlayer1とlayer2が表示されます。
ここで選択されているものを変更することで、ペイントするレイヤーを切り替えできます。
![](https://oknote.net/wp-content/uploads/2024/02/16_change_layer-800x475.png)
layer2に切り替えて何も表示されない場合は、右上に4つある表示モードを右から2番目のMaterial Previewにしてください。
![](https://oknote.net/wp-content/uploads/2024/02/17_show_layer2-500x399.png)
ではlayer2をペイントしていきましょう。
Drawツールでペイントしていて消したいときは、中央上部の「Mix」になっている部分を「Erase Alpha」に変えれば消しゴムモードになります。
![](https://oknote.net/wp-content/uploads/2024/02/18_erase_tool-800x628.png)
さらにレイヤーを追加したい場合
もっとレイヤーを追加したい場合にも、同じ要領でImage TextureとMixを追加して繋いでいくだけです。
レイヤー3を足すとこんな感じ。
![](https://oknote.net/wp-content/uploads/2024/02/19_create_layer3-800x457.png)
スザンヌさんにテクスチャが施されました。
![](https://oknote.net/wp-content/uploads/2024/02/20_paint_result-800x475.png)
色を調整したい場合
フォトショップなどのようにレイヤーの色調整なども一応できます。
「Hue/Saturation/Value」などの調整ノードを追加して、調整したいImage TextureのColorとMixの間に繋げば色調整が可能です。
![](https://oknote.net/wp-content/uploads/2024/02/21_add_hsv-500x280.png)
![](https://oknote.net/wp-content/uploads/2024/02/22_change_color-800x475.png)
アドオンを使わないメリット
以上が標準機能だけでレイヤー分けしてテクスチャを書く方法ですが、これにはアドオンを使わないメリットもあります。
アドオンにもよると思いますが、アドオンを使うとこのようなノード接続を自動化してくれて楽になるのですが、開発者にしかわからないような複雑なノードを組まれてしまうことがあります。
そうなると、この部分だけ色調整したいなど、細かい調整をするのが難しくなる場合もありますが、自分で組んだシンプルなノードであれば、後から調整するのも簡単です。
とは言え、レイヤーをたくさん使いたい場合に毎回設定するのは大変なので、自動化したい場合は「ucupaint」というアドオンがおすすめです。使い方についての記事も書きました↓
まとめ
blenderのテクスチャペイントは、使い方を把握するまではなかなか難しいですが、慣れると「他のツールでやらなくてもblenderで良いか」という気になるほど便利な機能です。
私もまだ知らないことだらけなので、もっと便利な機能などを見つけたら、記事にしてシェアしていきたいと思います!
コメント