blenderでスカルプトをしていると、オリジナルブラシを作って使いたくなったので、方法を調べました。
blender3.5以降から「VDMブラシ」が使えるようになり、複雑な形状のブラシを作成することが可能になっています。
アドオンを使えば簡単に作れるので、以下に手順をまとめていきます。
VDMブラシとは
VDMとは「Vector Displacement Map(ベクターディスプレイスメントマップ」の略です。
従来のDisplacement Map(ディスプレイスメントマップ)は、高さ情報を白黒画像として保存するものでしたが、Vector Displacement Mapは、RGB画像として情報を保存することで、法線方向のみならず、XYZあらゆる方向への変異情報を保存することができます。
そのため、より複雑な形状を画像から作成することが可能になります。
自作VDMブラシのつくり方
ではここから自作VDMブラシを作成する手順を説明します。
①VDM Brush Bakerを有効にする
まずはアドオンの「VDM Brush Baker」をオンにします。(デフォルトで使用できる無料アドオンです)
プリファレンスを開いてGet Extensionsを選択し、検索ボックスに「VDM」と入力すると「VDM Brush Baker」が出てきます。
「Install」をクリックしてインストールしましょう。

②スカルプト平面を作成
「VDM Brush Baker」をオンにしたら、ブラシ化したい形状を作成していきます。
細分化した平面を作成してスカルプトしていくのですが、「VDM Brush Baker」を有効化すれば、スカルプト用の平面を作ってくれるボタンが使用可能になります。
ビューポートでサイドバーにある「Tool」を選択します。すると下の方に「VDM Brush Baker」という項目が増えているので、そこにある「Create Sculpting Plane」をクリックすれば、スカルプト用の平面が作成されます。

ワイヤーフレーム表示にすると、分割数の多い平面で「MultiResモディファイア」が追加された状態になっています。

③スカルプトする
スカルプト用の平面が用意できたら、ブラシ化したい形状をスカルプトします。
適当にスカルプトしてこんな感じになりました。

④シーンを保存する
タイミングはいつでも良いですがシーンを保存しておきましょう。
次の工程でシーンを保存したフォルダ内に、サブフォルダとVDM用の画像が出力されるので、わかりやすい場所に保存しておきます。

ファイル名は好きな名前でOK。
⑤VDM画像を作成
スカルプトが終わったらVDM画像を作成します。
VDM画像を作成するのも簡単!
まずは、サイドバーに追加された「VDM Brush Baker」の「Name」部分に、好きなブラシ名を入力します。(デフォルトだと「NewVDMBrush」)
そして「Render and Create VDM Brush」ボタンをクリックします。

VDM画像が出力されると、blenderシーンを保存した階層に「output_vdm」というサブフォルダが作成されて、その中に画像が作成されています。

スカルプトモードにすると、ブラシ一覧にも作成したブラシが追加されています。

⑥動作確認
追加されたブラシを使って動作確認をしましょう。
デフォルトではStrokeが「Anchored」になっているので、「Airbrush」などに変えればスタンプのような使い方もできます。

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